2008年9月23日の放送

■本日の話題その1  サケ科サケ属の特徴
 先週に引き続きサケに関する基礎知識です。ファウラ最新号(2008秋号=サケ特集)から、サケ科サケ属の特徴をまとめてみましょう。
 まず、遡河性回遊魚であること。これは多くの人が知っていることでしょう。サケ(シロザケ)の場合、日本の各河川で生まれた系統群はオホーツク海を経由してベーリング海やアラスカ湾を回遊します。そして成熟すると生まれた川を正確に探し当てて遡上、産卵します。
 次に、形態的変異が大きいこと。例えばサクラマスとヤマメ(北海道方言ではヤマベ)が同種の魚とは思えないほど大きさも形体も異なります。このことは魚のことを良く知らない人に”魚は難しい”と思わせてしまう一因になっていることでしょう。また、産卵期には雄が「鼻曲がり」や「セッパリ」になることも経験的に多くの人が知っているでしょう。
 もうひとつ。脂ビレがあることもサケ属の特徴です。脂ビレとは背ビレと尾ビレの間にある小さなヒレです。
 ちなみにサケ科の魚は、世界で9属約70種、北海道(近海を含む)では4属13種が知られています。 

faura21号P9

ファウラ2008号・「サケ特集」トビラ


■本日の話題その2  食材としてのサケ・流通の不思議
 もうひとつ、サケ関連の話題です。
 ニジマスやタイセイヨウサケの養殖魚がチリやノルウェーなどから大量に輸入され、「トラウトサーモン」などという正体不明な商品名で流通していることは先週もご紹介しました。こうした輸入「サケ」は(正確にはサケとは呼べませんが)、採卵から出荷まで完全に人の管理下で作られた”商品”であり、人の与える餌によってダイオキシンなどの有害化学物質が高濃度で残留しています。
 こうした輸入養殖魚は北海道でもスーパーなどでたくさん見かけますが、一方、北海道はサケの主産地です。なぜサケの産地で似て非なる輸入魚が流通しなければならないのでしょうか。北海道産のサケのうち半分近くは中国へ輸出され、切り身やフライに加工されて欧米に輸出されているのが現状です。中国で一次加工されるのは人件費が安いからでしょう。欧米では日本のサケは”ヘルシー・サーモン”として人気を博しているそうです。 高いフードマイレージをかけてはるか地球の裏側から健康リスクのある養殖魚を輸入しながら、せっかく地元で捕れる高品質のサケを海外に輸出する…。こうした日本の食の現状を知るにつけ、やりきれない思いにとらわれます。サケを食材として見ると、こうした日本の食の問題に、どうしても行き着くのです。

faura21号P22〜P23
 
ファウラ2008号「サケ特集」食糧資源としてのサケについて書かれたページ(執筆・帰山雅秀・小宮山英重)

■本日の話題その3  海辺のバードウォッチング
 今週はオバシギ(全長28cm)とコオバシギ(全長24cm)をご紹介します。
 和名ではオバシギの小さいものがコオバシギという命名になっていますが、英名ではコオバシギが「ノット」、オバシギが「グレート・ノット」といい、位置付けが反対になっています。
 ところでノット(Knot)とは、鳥名としては変わった名前ですね。もともと「結び目」の意味で、なぜこの鳥がこの名なのかがわかりません。Knotには「群れ」という意味もあるのですが、コオバシギもオバシギもあまり群れるという印象はありません。北海道の海岸で見る時はソリハシシギなどとせいぜい5〜6羽の小群で過ごしている程度です。結局、コオバシギの語源は辞書をいくら丹念に見てもわかりませんでした。
 しかし、コオバシギは「ノッ」という声で鳴くと図鑑には書かれています。そうです。Knotとは鳴き声を表した命名だったのです。図鑑と辞書、この両方を見て初めてわかる語源の例がコオバシギの英名なのです。 
 もっとも、コオバシギもオバシギもあまり声を発する鳥ではなく、私は声を聞いたことがありません。本当にKnotと聞こえるかどうか、是非一度コオバシギの声を聞いてみたいものです。
 ところで、和名のオパシギの語源は、この鳥がおっとりした感じで年寄りめいた風情があることから、「おばあさんのしぎ」的な意味でこう名付けられたものと考えられています。地方名にはウバシギやババシギという直裁な別名もあります。

オバシギ

オバシギ(大橋弘一・諸角寿一著「日本野鳥写真大全」より)


■ インフォメーション
・ 大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2009秋号(特集:サケ)、ただいま道内の書店などで発売中です。
・ ファウラ編集発売元である大橋弘一写真事務所「ナチュラリー」へのお問い合わせは、
0120-4646-13までどうぞ。

■今日ON AIRした音楽
1980年の日本のヒット曲
・ 松田聖子「風は秋色」
・ シーナ&ザ・ロケッツ「ユー・メイ・ドリーム」
・ 甲斐バンド「安奈」
・ クリスタルキング「大都会」
・ ばんばひろふみ「SACHIKO」


■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。

2008年9月16日の放送

■本日の話題その1  サケの一生
 9月15日発売になったばかりのファウラ秋号から、野生生物としてのサケについて基礎知識をお話ししましょう。
 まず、北海道の川で生まれたサケ(シロザケ)の一生をたどってみます。
 産卵は、8月下旬から1月頃です。秋のものと思われがちですが、実際は秋から冬までサケの産卵期は意外と長く続きます。卵は、水温8℃の場合で約80日後にふ化します。だいたい2月か3月までには全ての卵がふ化、稚魚は雪融けの頃まで静かに過ごした後、春、雪融け水で増水した川を海へくだります。この頃体長約5〜6cm。初夏、6月末頃までにオホーツク海へ移動し、初めての冬はカムチャツカ半島の南側あたりで過ごします。翌春、ベーリング海へ移動、この頃は積極的な採餌活動によってどんどん成長し秋までベーリング海で過ごした後、さらに東へ移動して2回目の冬はアラスカ湾に至ります。この後夏はベーリング海、冬はアラスカ湾で過ごすことを3回ほど繰り返し、生後4年目か5年目に成熟して、ベーリング海から千島列島沿いに南下、いよいよ北海道へ回帰します。こうした回遊コースは北海道産のサケだけでなく、本州の川で生まれた個体も同様だということです。北海道からベーリング海・アラスカ湾までは直線距離でも5000〜7000km。サケの中でも日本の川で生まれた系統群が最も遠くまで回遊するそうです。
 こうして回遊を終えたサケは母川に帰ってきて、自分が生まれた川の生まれた場所を正確に探し当て、産卵します。

faura21号P20〜P21

ファウラ秋号「サケと地球温暖化」のページ(執筆:帰山雅秀)。回遊ルートも掲載されている


■本日の話題その2 サケの呼び名
 先週の話題の続きです。サケの呼び名「トキシラズ」「ケイジ」「メジカ」などが何を指すのか、ファウラ秋号で具体的に解説しています。
 まずトキシラズ(時不知)です。ロシアのアムール川などで生まれたサケの系統群はオホーツク海を回遊することが知られていますが、その中にロシアの母川に戻って繁殖する前にオホーツク海の南方(つまり北海道近海)まで回遊してくる個体群があり、これが夏に獲れたものがトキシラズです。
 さらに、同じくアムール川系の個体群が母川に回帰する1年前の秋に獲れれば、それがケイジ(鮭児)です。4歳で成熟するサケの3歳魚ですから若く、しかも体は十分に大きくなっているというところから、大変脂が乗った美味なサケとして珍重されています。
 トキシラズやケイジがロシアの川で生まれたサケであるのに対し、もうひとつの高級サケであるメジカ(目近)は、新潟県や山形県の川で生まれた本州産の系統群です。それが、母川へ戻る直前に北海道近海を通った時に先取りされたものがメジカの正体というわけです。産卵までまだ数十日あるためこちらも脂が乗ったおいしいサケと言われています。
 ギンケ(銀毛)は、川に戻る直前の秋鮭のうち銀色に輝く個体のことを指す場合と、海洋にいるサケ全般を指す場合がありますが、前者の場合はやはり高級サケとして扱われています。その他、川を遡上し始めた「ブナ毛」、さらに産卵後の力尽きた「ホッチャレ」まで、北海道ではサケに多くの呼び名が使い分けされています。サケの産地ならではの、呼び分けという文化なのでしょう。


■インフォメーション
・ 大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2008秋号(特集:サケ)はただいま発売中です。
・ ファウラ編集発売元である大橋弘一写真事務所「ナチュラリー」へのお問い合わせは、
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■今日ON AIRした音楽
REOスピードワゴン
・ KEEP ON LOVING YOU
・ TAKE IT ON THE RUN
・ IN YOUR LETTER
・ I WISH YOU WERE THERE
・ FOLLOW MY HEART


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2008年9月9日の放送

■本日の話題その1  サケの基礎知識−分類
 来週9月15日には、いよいよ待望のファウラ秋号が発売になります。今回は特集「サケ」。食材としてはなじみ深い魚ですが、野生生物としてのサケのことを私たちはどれだけ知っているでしょうか。
 今回はサケについて、発売前のファウラから先取りして、その基礎知識をお話しましょう。
 まず、サケという魚は別名シロザケとも言いますが、科学的な呼び名である標準和名も「サケ」というサケ目サケ科サケ属の魚種のことです。北海道(沿岸を含む)で見られるサケ属の魚には、サケ(シロザケ)、カラフトマス、サクラマス(ヤマメ)、ベニザケ(ヒメマス)、ギンザケ、マスノスケ(キングサーモン)、ニジマスの計7種があります。ニジマスは移入された外来種です。「サケ」という語は広義にはこのサケ属全体の総称として用いられる場合があり、種としてのサケなのかサケ属全体のことなのか区別して考える必要があります。誤解を防ぐために種としてのサケを指す場合には必ずシロザケと呼ぶ方法もあります。
 ここで、サケとマスはどう区別するのか疑問を感じる方もいるでしょう。しかし科学的な分類ではサケとマスには区別はありません。例えればワシとタカに厳密な区別がないのと同様です。英語でもサーモンとトラウトという使い分けがありますが、これが日本語のサケとマスに完全に対応するわけでもないようです。

faura21号表紙

ファウラ2008秋号   表紙


■本日の話題その2 サケの基礎知識−分類つづき
 サケの呼び名に「トキシラズ」「ケイジ」「メジカ」などというのがあります。北海道では美味で高級なサケを指す場合によく使われる呼び名ですが、これらはじつは生物種としてはすべてサケ(シロザケ)です。ベニザケでもギンザケでもキングサーモンでもありません。ではいろいろな呼び名はどのように使い分けているのでしょうか。このことについては来週の放送で詳しくご説明しましょう。ただひとつ知っておいてほしいのは、「トキシラズ」「ケイジ」「メジカ」などという呼び名はあくまで食材としての呼称であって、生物種の区別とは無関係だということです。
 ところで、食材といえばスーパーや鮮魚店で「トラウトサーモン」などという商品を見ることがありますね。回転寿司などでは「サーモン」という寿司ネタもあります。これらは、原産地表示にチリとかノルウェーとあることでもわかるように輸入された養殖魚です。魚種でいえばニジマスやタイセイヨウサケです。ニジマスは前述のとおりサケ属ではありますがサケ(シロザケ)とは別の魚ですし、タイセイヨウサケというのはその名のとおり大西洋産のサルモ属の魚種で、こちらはサケとは属も異なります。英語圏ではサーモンとはタイセイヨウサケを指しますから「サーモン」という表示もあながち間違いとは言えません。しかしこのようにサーモンの名を冠して流通している魚の正体を私たち消費者はどれだけ知っているでしょうか。「サーモン・イコール・サケ」だと思っていると大間違いなのが、食材という商品流通の世界です。サケ(シロザケ)の一大産地である北海道でさえ、このような輸入養殖魚が大量に流通している事実には考えさせられることが多いようです。
 サケをよく知ることは、日本の食文化や現代の「食」の問題にまで考えを巡らせることなのかもしれません。


■本日の話題その3 海で楽しむ野鳥観察・ミユビシギ
 今回はミユビシギをご紹介します。ミユビシギはその名のとおり指が3本しかない全長20cmほどの小型のシギです。普通の鳥は指は4本でそのうち1本が後ろ向きについていますが、ミユビシギはこの後ろ向きの指が退化してしまっています。渡り途中の姿を観察している限りでは、なぜミユビシギが3本足になってしまったのか、理由はよくわかりません。
 ミユビシギは「波と戯れる白いシギ」とキャッチフレーズでもつけたくなる鳥で、灰色系の姿が遠目には白っぽく見えます。干潟よりも砂浜を好み、まるで波と追いかけっこしているように波打ち際を行ったり来たりしています。波とともに打ち寄せられる小さなエビの仲間や小魚を食べているのです。
 番組では「クリリ」「クリー」などと聞こえる可愛らしい声も録音でお聞きいただきました。北海道の海岸で、今数多く見られるシギです。

ミユビシギ

ミユビシギ(大橋弘一・諸角寿一著「日本野鳥写真大全」より)
 

■インフォメーション
・ 大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2008秋号(特集:サケ)は9/15発売予定です。
・ ファウラ編集発売元である大橋弘一写真事務所「ナチュラリー」へのお問い合わせは、
0120-4646-13までどうぞ。

■今日ON AIRした音楽
80年代前半の日本の曲アラカルト
・ 雨音はショパンの調べ(小林麻美)
・ 想い出がいっぱい(H2O)
・ ボヘミアン(葛城ユキ)
・ 悲しい色やね(上田正樹)
・ 待つわ(あみん)


■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。

2008年9月2日の放送

■本日の話題その1  東京都のカラス対策の顛末
 北海道の話ではありませんが、札幌でも参考になる点が多々あると思い、東京都が平成13年度から行なっているカラス対策の状況をご紹介しました。概略は以下のとおりです。
 東京・都心部のカラス(ほとんどがハシブトガラス)生息数は、昭和60年(1985年)には約7,000羽でしたが、平成8年(1996年)14,000羽、平成11年(1999年)21,000羽、平成13年(2001年)36,400羽と急 増しました。都に寄せられる苦情も増え、これを受けて都は平成13年(2001年)にカラスプロジェクトを設置、早い時期に7,000羽にまで減らすことを目標として鳴り物入りでカラス対策をスタートさせました。
 対策の具体的内容は「捕獲」及び「ゴミ対策」の2本立てです。「捕獲」は、専用のトラップ(わな)をねぐら付近に設置し直接捉えることと、巣の撤去です。平成14年(2002年)から毎年1万羽以上、現在までに累計10万羽弱がトラップによって捕獲・駆除されました。「ゴミ対策」としては、防鳥ネットの使用促進や一部繁華街での夜間のゴミ収集が行なわれ、また主要な巣材となる針金ハンガーを外に出しっ放しにしないことなどの啓蒙も行なっています。
 結果として、その後のカラス生息数は平成14年(2002年)35,200羽、平成15年(2003年)23,400羽、平成19年(2007年)18,200羽と推移し、ピーク時平成13年(2001年)の約半数にまで減らすことができました。対策スタート当初はカラスといえども野生動物を捕殺することに対する反対意見や、使った税金に見合う成果が得られるかという懐疑的意見も多かったようですが、この数字の推移からは現在のところ、成果が上がっているように感じられます。
 都が行なったカラス対策を見てみますと、「捕獲」というのは対症療法であり、短期間で数を減らすためには必要な対策であったと考えられます。しかし、抜本的解決法は「ゴミ対策」の方であり、今後目標値までカラスが減ったとしても「ゴミ対策」はずっと続ける必要があるでしょう。
 雑食性で人間が出すゴミを何でも食べるカラスは、自然界ではスカベンジャー(掃除屋)の役割を担っています。彼らが処理すべきゴミが多くなればなるほどカラスの個体数も増えるのが自然の摂理です。彼らの栄養源であるゴミを増やさないこと、すなわち、ゴミをきちんと管理することこそカラスを増やさない一番効果的な方法です。カラスの問題は、そのまま社会のあり方に帰結する問題なのです。

ハシブトガラス1

ゴミをあさるハシブトガラス(撮影:大橋弘一)


■本日の話題その2 海で楽しむ野鳥観察・アオアシシギとキアシシギ
 今週は、足の色が青いシギと黄色いシギをご紹介します。これに赤い足のアカアシシギを加えれば赤青黄の3色トリオになります。種類が多く、足の色や嘴の形が識別ポイントになるシギ類にはこのような単純な命名の仕方のものが散見されます。
 アオアシシギとキアシシギは、いずれも数が多く、今の季節に北海道でよく見かけるシギ類です。アオアシシギは全長35cmくらいで、青灰色から青緑色の足が特徴です。嘴は長めで少し上方に反っています。キアシシギは全長25cmくらいで、シギとしては短めの黄色い足が特徴です。嘴はまっすぐです。
 番組では両者の鳴き声も録音で紹介しました。アオアシシギのチョーチョーチョーという涼しげな美声が耳に残っています。

アオアシシギ

アオアシシギ(大橋弘一写真集「鳥鳴山河」より)
 


■インフォメーション
・ 大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2008夏号(特集:洞爺湖・有珠山)は、ただいま道内の書店などで発売中です。秋号(特集:サケ)は9/15発売予定です。
・ ファウラ編集発売元である大橋弘一写真事務所「ナチュラリー」へのお問い合わせは、
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■今日ON AIRした音楽
ビリー・ジョエル
・ ストレンジャー
・ 素顔のままで
・ オネスティ
・ アップタウンガール
・ マイ・ライフ


■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。

2008年8月26日の放送

■本日の話題その1  エゾシカが貴重な高山植物を食べている!
 北海道新聞は今月24日「山頂でシカ食害・高山植物が危機〜夕張岳、崕山」という記事を掲載しました。 貴重な高山植物の宝庫である夕張岳や崕山で、キリギシソウ(絶滅危惧?A類)やタカネヒメスゲ(同IB類)、シソバキスミレ(同?A類)を含む植物がエゾシカに食べられ、あるいは踏みつけられるなどして危機的な状況に陥っていることが、北海学園大学教授の佐藤謙氏(高山植物植生学)らの調査でわかったとの報道でした。エゾシカが暖冬続きで山頂付近の雪融けが早まったため新たな餌場を求めたためということですが、ハンターが道東に集中して北海道西部には不足していることも要因と書かれていました。
 夕張岳は、世界でもここだけにしかない固有植物として前述のもの以外にタカネエゾムギ(同?A類)、エゾノクモマグサ(同?A類)、ユウバリコザクラ(同?A類)、ユウバリソウ(同?A類)、エゾコウボウ(同IB類)など、固有種に準ずるものとしてエゾオオケマン(同?A類)、タカネグンバイ(同?A類)、ユウバリリンドウ(同IB類)、ユキバヒゴタイ(同IB類)、ユウバリキンバイ(同?類)、ソラチコザクラ(同?類)、エゾタカネニガナ(同?類)などなど、本当に貴重な高山植物の多い山で、佐藤教授によればこうした固有の植物がエゾシカのために絶滅してしまう危機だといいます。夕張山地付近のエゾシカ生息密度は2000年と比べて2.5倍にも増えており、対策が必要でしょう。
 エゾシカの食害問題は多方面から指摘されていますが、固有の植物が失われてしまう危機が迫っていることには、改めてその深刻さを感じます。ただ、対策といっても今のところハンターによる捕獲増しかないというのが道の担当者の考えとのこと。しかし、ことは素早い対応が必要であり、真剣に議論し早急な対策を講じる必要があるものと思います。


■本日の話題その2 西岡公園ではハッカの花が咲いている…
 西岡公園管理事務所からの報告では、まだハッカの花も見られるとのこと。今夏はずいぶんハッカの花の話題が多かったように思いますので、ハッカについて少し調べてみました。
 ハッカは日本特産種でニホンハッカとも呼ばれるそうです。北海道から九州まで湿地などに自生しているシソ科の多年草で花期は8〜10月です。ちなみに英語ではジャパニーズ・ペパーミントといいますが、ヨーロッパ原産のペパーミントは日本語ではセイヨウハッカと呼ばれます。薄紫の花が葉の付け根にまとまって付き可憐な姿をしています。芳香があり、メントールの成分を含むことでよく知られています。漢字では「薄荷」と書き、これは一説に、葉から抽出するハッカ油はわずかの量しか取れないことから「薄い荷」になるからと言われていますが、他説もあり語源は定かではありません。
 ハッカといえば”北見のハッカ”があまりにも有名です。明治時代に持ち込まれた栽培種が昭和9年にアメリカへ輸出開始され、高品質で世界を席巻し、最盛期の昭和14年頃には世界のハッカ市場の70%を北見産が占めるほどだったといいます。まさに日本が世界に誇る産物のひとつだったわけですね。しかし第二次世界大戦によって食糧増産のためにハッカ畑は大幅に縮小され、大戦後も一次は輸出が復興したもののブラジル産など海外の安いハッカの進出や合成ハッカに押されて衰退し、昭和58年に北見薄荷工場は閉鎖されました。


■本日の話題その3 海で楽しむ野鳥観察・チュウシャクシギとホウロクシギ
 今週は、嘴が下向きに湾曲したシギをご紹介します。
 下向きの曲がった嘴といえば、ダイシャクシギ、チュウシャクシギ、コシャクシギということになりますが、もうひとつダイシャクシギに似たホウロクシギもあります。シャクというのは柄杓のことで、これらの鳥の嘴が長くて柄杓に似た感じがするという語源なのでしょう。
 北海道で観察しやすいのはホウロクシギとチュウシャクシギで、ホウロクシギは全長62cmほどもある大型のシギです。ホウロクとは素焼きの浅い土鍋「焙烙」のことで、その焙烙の色に似ていることが語源だといいます。ダイシャクシギと大きさも姿もよく似ていますが、確かに羽色はダイシャクシギは灰色っぽくホウロクシギは茶色っぽく見えます。チュウシャクシギは全長42cmほど。海辺だけでなく草原にも出現します。ホイ、ピピピピピピピピ…という特徴ある鳴き声が特徴ですので、番組では鳴き声の録音もお聞きいただきました。
 大型のシギはやはり見ごたえがあります。皆さんも今の季節がシギ類の旬ですから、是非海辺へ出かけて探してみてください。

チュウシャクシギ

チュウシャクシギ(大橋弘一写真集「鳥鳴山河」より)
 

■インフォメーション
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■今日ON AIRした音楽
キャロル
・ 夏の終わり
・ ファンキー・モンキー・ベイビー
・ ルイジアンナ
・ コーヒーショップの女の娘
・ ヘイ・タクシー


■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。

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