2009年2月17日の放送

■本日の話題その1    釧路のラッコ騒動
 一週間ほど前から釧路にラッコが居つき話題になっています。観光名所である幣舞橋のあたりにいるそうで、至近距離で見られるようです。いい機会なので、ラッコについて調べてみました。
 ラッコは、食肉目イタチ科の哺乳類です。頭胴長100〜110cm、尾長30cm、体重35〜40kgほどです。毛色は薄茶色から黒まで個体によって様々のようです。北太平洋のアラスカ、アリューシャン列島、北千島あたりを生息地とし、冬季には北海道あたりまで南下してくるのが本来の生態で、昔は北海道の沿岸でも普通に見られたようです。アイヌのいい伝えでは石狩のあたりでも見られたようです。今でもえりも岬から知床沿岸の太平洋側は生息地とされています。しかし実際にはめったに見られず、1996年に根室に現れた時も話題になりました。
 かなり古い時代から人々はラッコの上質な毛皮を目当てに乱獲し、そのためにラッコは数を減らしたのだそうです。江戸時代には千島産のラッコが幕府に献上されていた記録も残っています。それほどラッコの毛皮は質がよいそうで、皮下脂肪をあまり持たないために毛の密度がとても高く保温性のすぐれた最高級の毛皮になっているとのこと。それだけでなく、その昔は肉も食用にしていたようです。
 乱獲によるあまりの激減ぶりが憂慮され、1911年にラッコ・オットセイ保護条約ができて以来、保護動物となりました。今では少しずつ数が増えつつあるようです。


■本日の話題その2    バッタの害についてわかったこと
 少し前の新聞に載っていた話題です。
 バッタが異常発生した時に、緑色だったバッタが黒っぽく変わることが知られていますが、その変化をもたらす化学物質が英豪共同の連休チームによって解明されたとのことです。それはセロトニンという物質で、緑色をした普段からバッタの体内にあるものの、生息密度が高まりお互いの体が触れ合うような状態になるとセロトニンが急激に増え、体色の変化をもたらすのだそう。異常発生した時のバッタの体内には通常の3倍の濃度のセロトニンがあることがわかったそうです。これにより、体色が黒くなるだけでなく性格は凶暴になり翅も長くなって長距離飛行ができるようになるのだといいます。
 バッタの異常発生の被害は北海道では1880年(明治13年)から4年連続で起きた記録が残っており、空を暗くするほどの大群が十勝から札幌まで飛んできたそうです。退治のために屯田兵が借り出され藻岩山から大砲を打つ騒ぎにまで発展したという大騒動だったようですが、そのすさまじい被害ぶりはファウラ12号の「ファウラ博物誌」に詳しく載っています(執筆:河井大輔)。興味のある方は一読をお勧めしますが、北海道に被害をもたらしたバッタの大群も、体内にセロトニンが増えていたに違いありません。

faura12号P66〜P67

ファウラ12号に掲載されたバッタの大発生の記事「ファウラ博物誌・蝗害」


■本日の話題その3   「虫と人と環境と」からの話題
 最近私が一番お勧めしたい本「虫と人と環境と」(岩佐光啓著)より「自動販売機の害悪」をご紹介します。
 著者の岩佐さんが調べたところ、全国に自動販売機は430万台設置されていて、そのうち260万台が飲料用だそうです。自動販売機1台は1ヶ月あたり170kwの電力を消費し、これは平均的な家庭の1ヶ月分の電力消費の約1/2に当たります。つまり、飲料用の自販機からだけでも130万世帯分の電力が使われ、その分だけCO2も排出しているわけです。
 ちなみに札幌市の世帯数は約88万世帯ですから、それよりもはるかに多い分の温暖化ガス排出につながているわけです。こう考えると、自販機がこんなにたくさんある必要はまったくないと思えてきます。しかも、とくに田舎の人通りの少ない場所などでほとんど利用されていない自販機もあるでしょう。そういう場所の自販機は夜間、照明に誘引されて有益なたくさんの昆虫も集まってきているそうです。結果として生態系を乱すことにもつながっているわけで、自販機野放しの現状は考えさせられることがたくさんあります。
 こんな視点から自販機を見ることをこの本は教えてくれました。岩佐光啓さんの「虫と人と昆虫と」、お勧めです。是非ご一読ください。

虫と人と環境と

岩佐光啓著「虫と人と昆虫と」


■ インフォメーション
・大橋弘一の新しい著書「散歩で楽しむ野鳥の本」の詳細については書籍販売サイト「ファウラショップ+」をご覧下さい。
http://www.naturally.co.jp/faurashop/
・大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2009冬号(特集:北国の冬を生きる〜珠玉のネイチャーフォト30選)、道内の書店などで発売中です。 編集発売元であるナチュラリーからの直接のお求めは書籍販売サイト「ファウラショップ+」へどうぞ。
http://www.naturally.co.jp/faurashop/


■今日ON AIRした音楽
       郷ひろみ
・よろしく哀愁
・マイ・レディー
・言えないよ
・2億4000万の瞳
・哀愁のカサブランカ

■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。

2009年2月10日の放送

■本日の話題その1    “旅行ミシュラン”に思う
 ”旅行ミシュラン”と言われる「ギド・ベール(緑のガイド)・日本編」が、来月発売されるそうです。レストランガイドで知られる三ツ星ガイドの旅行版で、その内容が朝日新聞に載っていました。フランス人の見た観光地のガイドであり、自然の評価ではありませんが、北海道の自然の地が西欧人にどのように見られているのかがわかるのではないかと思い、興味深く見ました。
 それによると、三ツ星の評価を得た観光地は日光、富士山、東京、京都、奈良、姫路城、法隆寺、伊勢神宮など全国に計17ヶ所ありますが、その中に北海道はひとつも入っていません。新聞にも書かれていましたが、東京郊外の高尾山が三ツ星なのは日本人にとっては意外です。その評価の理由は、「都市の近くなのにありのままの自然が楽しめる」ことだそうですが、であるなら、札幌の藻岩山や円山をこそ評価すべきではないかと私は思いました。
 藻岩山も円山も、都市からの近さという点では全く大都市の中にあると言っても過言ではないですし(高尾山は都心から1時間以上もかるでしょう…)、その自然の質も、国の天然記念物に指定されていることなどからもわかるように内外に高く評価されています。特に藻岩山は北海道では天然記念物指定の第一号であり、モイワの名が冠された植物や昆虫などがたくさんあることからもその価値は明白です。ミシュランの評価員は札幌をきちんと見てくれたのでしょうか。
 世界自然遺産のうち、三ツ星がついたのは屋久島だけ。知床は大雪山系と並んでようやく二つ星です。自然だけを見ているのではないから…と思っても、北海道屈指の観光地である函館が「星なし」評価だったことはやはり意外です。その理由は「北海道にはやはり大自然を期待する」ということだそうで。それなら、もっとしっかり北海道の自然を見てほしいものだと思いました。どうやら、外国人が日本を見る眼は我々日本人とはだいぶ違うようです。
 ちなみに、来月発売になる旅行ミシュラン日本編は約2400円。ただしフランス語版です。


■本日の話題その2    松前のオットセイ、石狩のトド
 最近、海獣が話題になることが多いですが、先日の北海道新聞には松前沖に2年前から冬にはオットセイが居ついて、イカ漁に深刻な影響を及ぼしているという記事が載っていました。アザラシなどと違ってオットセイは北海道の海に現れる印象が乏しいですが、それは外洋性で沿岸にはあまり来ない動物だから。実際には秋からサケを追って南下して来ているのだそうです。沿岸に近づかないだけなのでしょう。
 ところが、2年前から、どういうわけか松前周辺にオットセイが数百頭も来ているそうで、おもにイカを食べています。2月から5月が旬のヤリイカ漁の場合、松前漁協全体では年間120t、金額にして1億円の漁獲高があったものが数百万円にまで落ち込んでいるそうです。オットセイを駆除すれば、という声が上がりそうですが、保護動物ですから、捕獲はできません。
 よくある話ですが、海獣の問題は、とこでも漁業者と保護動物である海獣との魚資源を巡る「取り合い」
の問題です。今回のオットセイ騒動も全く同じ構造の話になっています。
 一方、トドが石狩にも来ているというのも、びっくりしました。北海道新聞には石狩市送毛の岩礁地帯で休む群れの写真が載っていました。送毛といえば札幌からほど近い場所です。トドは積丹か知床へ行かないと見られないと思っていましたが、こんなに近くにいるのなら私も撮影しに行きたいな、と思ってしまいます。それはともかく、こちらも春ニシンの漁に被害を及ぼしているとのこと。
 海獣の問題は、なかなか解決策の見えない、悩ましい問題です。
 ちなみに、今発売中のファウラ冬号の「エッセイ獣野生絵」はトドを取り上げ、岸田典大さんが面白く書いています。是非ご一読を。

faura22号P37

ファウラ22号に掲載されている「エッセイ獣野生絵」トド(岸田典大執筆)


■本日の話題その3   スズメ受難の時代か
 これも最近の新聞から。
 スズメが、今冬、旭川市で22件48羽が死んでいることがわかり、その原因としてまたもやサルモネラ菌が疑われているとのことです。スズメの死骸を分析した研究機関によれば、調べた5羽すべてからサルモネラ菌が検出されたということです。死因として融雪剤による中毒死も疑われるとは言うものの、餌台などの餌付け場所でのサルモネラ菌が有力な死因の筆頭候補であることは間違いないようです。
 思えば2005〜2006年の冬に北海道各地でスズメ大量死が話題になりましたが、その記憶もまだ薄れぬ今日、またもサルモネラ菌かと、暗澹たる気持ちになります。
 あまり知られていませんが、サルモネラ菌によるスズメの死亡は、諸外国では約50年前から多発しています。1955年のスイスを皮切りに、イギリス、ドイツ、スウェーデン、アメリカ、カナダ、ニュージーランドなどなどで報告があります。フィンチ類の被害、中でも特にスズメの例が多いとのこと。はるか昔からスズメは私たち人間とともに生きてきた唯一の野鳥です。それが、こうして受難の時を迎えているように思え、残念でなりません。やはり、餌台は清潔を保つようにし、このような被害が起こらないような配慮を十分にするしかないようです。


■ インフォメーション
・大橋弘一の新しい著書「散歩で楽しむ野鳥の本」の詳細については書籍販売サイト「ファウラショップ+」をご覧下さい。
http://www.naturally.co.jp/faurashop/
・大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2009冬号(特集:北国の冬を生きる〜珠玉のネイチャーフォト30選)、道内の書店などで発売中です。 編集発売元であるナチュラリーからの直接のお求めは書籍販売サイト「ファウラショップ+」へどうぞ。
http://www.naturally.co.jp/faurashop/


■今日ON AIRした音楽
       TOTO
・アフリカ
・I’ll be over you
・ロザーナ
・ホールド・ユー・バック
・99

■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。

2009年2月3日の放送

■本日の話題その1     ナナカマド街路樹に集まる小鳥たち
 私が連載している札幌市の公式観光サイト”ようこそさっぽろ”内の「札幌の自然を愉しむ」では今月2月分は「ナナカマド街路樹に集まる小鳥たち」について書きました。
 札幌だけでなく、北海道の各都市には街路樹にナナカマドの木が多く植栽されており、冬には赤い美しい実が私たちの目を楽しませてくれます。このナナカマドの実を食べるために鳥たちが集まってくるのは1月後半から2月頃。どんな種類の鳥が来るのか、札幌のどこの街路樹がお勧めか、などについて「札幌の自然を愉しむ」に詳しく書きましたので、是非見ていだければと思います。
 http://www.welcome.city.sapporo.jp/feature/ohashi/february.html
 白い雪景色の中、美しい野鳥が赤い実に群がる様はとても絵になる光景です。そして、その野鳥たちの中には東京などではなかなか見られない北国らしい鳥や、10年に一度しか現れないと言われる珍鳥も含まれているため、「札幌の街路樹」は全国のバードウォッチャーから注目される存在です。多くの方にこの素晴らしい冬の楽しみを味わってもらいたいものだと思います。


■本日の話題その2   風力発電に新たな問題点
 昨年の暮れ頃にはバイオ燃料の有毒性が報道され、環境対策であるはずの自然エネルギーの思わぬ副作用というか負の側面が注目される中、こんどは風力発電装置が近隣の人々の健康被害をもたらしていることが新聞に載っていました。
 2週間ほど前のニュースでしたが、朝日新聞の報道によりますと、風力発電装置の近くに住む人が頭痛・めまい・不眠などの体調不良を訴えるケースが続出しているそうです。静岡・愛知・兵庫・愛媛の各県で少なくとも合計70人以上が被害を受けているとのことで、原因ははっきりしないものの、風力発電の風車から発生する低周波音が疑わしいようです。低周波音というのは100Hz以下の、耳に聞こえないほどの低い音のことですが、耳には聞こえなくても体には影響があるわけですね。該当地では「風車病」と呼ばれ、本当に深刻な状態になっているようです。低周波音は風車に限らず工場のボイラーなど様々な機械から発生していて、今回同様の健康被害をもたらすことが知られています。
 風力発電装置は、全国で既に1400基以上が稼動しており、人里離れた場所だけでなく最近は人家付近にも建設されています。建設適地がなかなか見つからないという現状もあるようです。しかしそれがこうした健康被害に直結するものであれば、早急に対策を講じる必要があるでしょう。
 元々、希少種を含む野鳥への被害をもたらす問題のあることが知られている風力発電装置。自然エネルギーとは言ってもCO2を出しさえしなければいいというものではありません。野鳥への被害を軽減するための対策としては、よくある水平軸のカザグルマではなく、垂直軸の風車を躯体に収めて設置することが望ましいと私は考えていますが、これは人体への被害低減には役立ちません。そもそも、北海道などの自然豊かな海岸線に水平軸の風車が林立する様は、せっかくの自然景観を台無しにするものであり、その意味で眉をひそめている人も多いでしょう。温暖化ガスへの対策はもちろん世界の緊急課題として大変重要ではありますが、様々な側面から十分な検討がなされるべきだと思います。


■本日の話題その3   おすすめ新刊本のご紹介
 最近出版された「虫と人と環境と」という本は、是非多くの方に一読してほしい良書です。著者は帯広畜産大学教授の岩佐光啓さん。北海道新聞の連載コラム「魚眼図」に書かれたものを一冊にまとめた本です。岩佐さんは昆虫の研究者で、この「魚眼図」には自然と人との関わりについて毎回様々な視点から書かれていて、いつも私は楽しみにしています。一編一編は短くて気軽に読め、しかし含蓄ある示唆に富む内容で自然とは何かを考えさせられます。それが一冊の本になったわけです。もう10年も連載が続いているそうで、読み逃したコラムもあり、やはり一冊の本となった存在感は新聞とは異なるもので、おすすめです。
 今日はその中から”虫嫌い”の現状について書かれた内容を番組で紹介させていただきました。キャンプ場では虫除け用のスクリーンテントを利用する人がいかに多いことか、しかもその網目に防虫スプレーを吹き付けて利用する人々の姿が描かれています。蚊とかブユといった吸血性の昆虫の非常に少ないキャンプ場でさえこういうことが行われている現実は、先進各国で進んでいるといわれる「意味のない虫嫌い」の人々そのもそのであり、とても考えさせられる問題です。虫よりも防虫スプレーや殺虫剤の有毒性こそがむしろ怖いのに、そういうものに無頓着なことも、ゾッとするような現実だと思います。
 いろいろと考えさせられる岩佐さんの「虫と人と環境と」。北海道新聞社から1000円で発売されています(自費出版の扱いで、入手できる書店は限られています)。

虫と人と環境と

岩佐光啓著「虫と人と環境と」  表紙画像



■ インフォメーション
・大橋弘一の新しい著書「散歩で楽しむ野鳥の本」の詳細については書籍販売サイト「ファウラショップ+」をご覧下さい。
http://www.naturally.co.jp/faurashop/
・大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2009冬号(特集:北国の冬を生きる〜珠玉のネイチャーフォト30選)、道内の書店などで発売中です。 編集発売元であるナチュラリーからの直接のお求めは書籍販売サイト「ファウラショップ+」へどうぞ。
http://www.naturally.co.jp/faurashop/


■今日ON AIRした音楽
       ダウンタウン・ブギウギバンド
・港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ
・身も心も
・知らず知らずのうちに
・ 涙のシークレット・ラブ
・ カッコマン・ブギ

■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。

2009年1月27日の放送

■本日の話題その1  北海道の面積の話
 一ヶ月ほど前に新聞報道された話題ですが、海岸が浸食されて年平均3m以上も海岸線が後退した場所が北海道には3ヶ所(鵡川、伊達、湧別)あるそうです。さらに1〜3mの後退だと北海道全域で29ヶ所にも及ぶそうです。鵡川の場合は1978年比で計400mも後退(99年現在)しているといいますから、消失した陸地は相当な面積になるでしょう。
 しかし、国土地理院の発表によると、昨年一年間で札幌ドーム3個分、一昨年は9個分の面積が、逆に”増えた”とされています。これは、面積の増減については国土地理院には各市町村から報告される仕組みになっているものの、埋め立てで増えた分については報告があっても、侵食によって消失した報告が上がってこないためだそうです。
 小樽ドリームビーチのように海の家が30〜40mも後方に建て直しを余儀なくされるケースもあり、海岸侵食は単に面積が減ったという以上の問題をはらんでいます。鵡川の場合は、北海道有数の規模の干潟が有名で、シギ・チドリ類をはじめたくさんの野鳥が見られる場所として有名ですが、それが最近は本当に少なくなったことをバードウォッチャーは感じていることと思います。
 果たして、北海道の面積は増えているのか、減っているのか気になります。航空写真などを元にして土木研究所が計算したところ、実際には”年平均で札幌ドーム7個分増え、23個分が減った”というのがほぼ現実のようです。


■本日の話題その2  今、海岸のキノコが面白い!
 もうひとつ、海岸の話題です。
 今発売中のファウラ冬号(22号)に、「今、海岸のキノコが面白い〜きのこワンダーランド石狩砂丘」という記事が掲載されています。菌類研究の第一人者である北方菌類フォーラム理事長・竹橋誠司さんが執筆された特別企画です。海岸のキノコというミスマッチな取り合わせにはびっくりしますが、じつは海岸砂丘にも多くの菌類が生息しているそうです。竹橋さんは石狩砂丘の菌類をここ5年ほど丹念に調査し、日本初記録や北限の種、絶滅危惧種など、大変興味深いキノコたちがたくさん分布していることに気づいたそうです。おもにコウボウムギやハマニンニクなど海浜性のイネ科植物に寄生しているようで、例えばスナジホウライタケは2007年に日本新産種として発表されました。アカダマスッポンタケは98年ぶりに再発見された種で絶滅危惧種です。ウネミケシボウズタケは石狩海岸が北限、スナヤマチャワンタケは北海道初記録などなど、珍しいキノコが次々に見つかっているとのこと。
 海岸性のキノコとして、根状菌糸束が森のキノコよりはるかに太くて丈夫で砂地深く伸びているなどの特徴があるようです。ともあれ、知られざる海岸の菌類という新しい世界をファウラで是非垣間見てください。

faura22号P44〜P45

ファウラ22号の特別企画「きのこワンダーランド石狩砂丘」最初のページ


■本日の話題その3 ファウラ冬号より「流氷と気象の関係」について
 もうひとつ、最新号のファウラ冬号(22号)からの話題です。
人気連載のひとつ「華ちゃんのお天気レクチャー」は今回はテーマは「流氷」。まもなく北海道は流氷の季節になりますが、流氷が接岸すると気象にどんな影響が出るか、について、気象予報看士の西沢華子さんが執筆されています。気象の影響は三つあるそうです。
 まずは、オホーツク海側が晴天の日が多くなるということ。これは海からの水蒸気補給がなくなり雲ができにくくなるためです。次に、内陸性の気候に変わり放射冷却で厳しい冷え込みになるということ。これは、氷原によって陸続きのような状態になるからでしょう。三つ目は、札幌あたりで大雪が降ることが多くなることだそうです。これは、オホーツク海に小さな高気圧が出来やすくなり、高気圧からの東寄りの風が、北西の季節風とぶつかるのがちょうど石狩湾のあたり。そして雪雲が発生して大雪をもたらすのだそうです。
 流氷は、いろいろな形で北海道の自然に影響があるのですね。

faura22号P65

ファウラ22号「お天気レクチャー」のページ


■インフォメーション
・大橋弘一の新著「散歩で楽しむ野鳥の本」の詳細について、は書籍販売サイト「ファウラショップ+」をご覧下さい。 直接ご購入いただくことができます。
http://www.naturally.co.jp/faurashop/
もちろん、全国の書店でもお求めになれます。
・大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2009冬号(特集:北国の冬を生きる〜珠玉のネイチャーフォト30選)、道内の書店などで発売中です。 編集発売元であるナチュラリーからの直接のお求めは書籍販売サイト「ファウラショップ+」へどうぞ。
http://www.naturally.co.jp/faurashop/


■今日ON AIRした音楽
     フィル・コリンズ
・ワン・モア・ナイト
・テイク・ミー・ホーム
・インビジブル・タッチ
・恋はごきげん
・トゥルー・カラーズ

■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。

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野鳥写真家&自然雑誌faura編集長の大橋弘一が自然や環境について語ります。FMアップルの番組「不思議いっぱいネイチャーワールド」の内容を伝えるブログでしたが、放送休止中の今もこのブログは継続します。