2009年8月31日掲載

■ 選挙にちなんで…鳩の話
 昨日の衆議院議員総選挙。日本の政党政治の「歴史に残る結果」などと言われていますね。政治についてあれこれ思うところはありますが、このブログの趣旨からして、ここではそれには触れないことにします。でも、せっかくですから、ここでは鳩山さんにちなんで「鳩」の面白エピソードをひとつご紹介しましょうか。
 鳩はよく平和のシンボルと言われ、政治の世界でも好戦的な「タカ派」に対する言葉として「ハト派」という用語があります。多くの方がハトをそのように見ていることと思います。しかし、これは元々キリスト教世界での見方です。日本では、逆にハトを武勲の象徴と見なしてきたという伝統があります。広い意味でハトが戦の象徴ともいえるわけです。
 ハトは日本で武勲の象徴とされるようになったのは、平安時代末期の英雄・源義家(八幡太郎義家)の「前九年の役」・「後三年の役」の際のエピソードが発端とされています。出陣の際に八幡宮に戦勝を祈願した折にハトが頭上を飛んだこと、敵を追い詰めもう一歩で勝てるというその時にもハトが飛びその姿に勇気づけられたことなど鳩を瑞兆と考え、ここからハトを軍神八幡神の使いと考えるようになったそうです。以降、源氏の流れを汲む多くの武将にこの考え方が伝えられたものと思われます。戦国時代などには武家はハトに対して信仰心をもつことは常識だったとの見方もあります。「太平記」や「源平盛衰記」などに記述がありますなお、ハトに対する西洋と日本の考え方の違いは拙著「鳥の名前」に書きましたので、興味のある方には一読を勧めます。
 ちなみに、その昔源氏軍に吉兆を伝えたハトとは、科学的に見ると何の種類だったのでしょうか?私はおそらくキジバトであっただろうと思います。アオバトだったら美しい絵になったと思いますが、それだったら「青い鳩(緑色の鳩)」などという記述があってしかるべきです。まさかドバトなんていうことはないでしょう。
 さて、鳩山さん率いる民主党が今回の選挙に勝てたのも、軍神ハトを名前に冠するお陰なのでしょうか?

鳥の名前

拙著「鳥の名前」(東京書籍)。ハトの語源などの話も出ています


■ インフォメーション
・大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2009夏号(特集:”北の二つ島”礼文・利尻)は、ただいま好評発売中です。 編集発売元であるナチュラリーからの直接のお求めは書籍販売サイト「ファウラショップ+」へどうぞ。
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・「ファウラショップ+」では、新著「北海道野鳥ハンディガイド」をはじめ大橋弘一の著書も販売しています。

2009年8月26日掲載

■ C.W.ニコルさんを取材してきました!
 毎週更新がこのブログの建前ですが、先週は更新できなくてごめんなさい。
 じつは、先週は長野県黒姫へ取材のため出張していて不在にしておりました。今制作中のファウラ秋号のためにC.W.ニコルさんを取材してきたのです。ニコルさんがどんな形でファウラに登場するか、是非楽しみにしていて欲しいと思います。
 ニコルさんにお会いするのは今回が2度目なのですが、前回は札幌で会いましたので、彼の地元・黒姫に出かけたのは今回が初めてです。自分の森(「アファンの森」といいます)を所有しているうらやましい立場の方ですが、今回はそのアファンの森の中で取材をさせていただきました。
 アウトドア名人のニコルさんは料理上手で知られていますが、今回のテーマ「エゾシカ」に沿って、エゾシカ肉を使ってシチューとハンバーガーを自ら作ってくれました。料理法をあれこれレクチャーしてくれましたが、きのこだけでも10種類とか、とにかく野菜のたっぷり入ったシチューは前日から時間をかけて煮込んで作ってくれたもので、エゾシカ肉がとろけるような柔らかさで、大変美味でした。「鹿肉が日本を救う」というのが彼の持論で、最近鹿肉をテーマにした本も出版されています。 
 北海道だけでなく、全国的にシカによる食害が多発している今日、増えすぎた野生動物の頭数管理の意味も込めて、シカを積極的に食べることが大切だと言います。次号ファウラ「エゾシカ特集」でもそのことを大きく取り上げたいと思います。乞う、ご期待。

25号予告

次号ファウラ「エゾシカ特集」の予告(24号の最終ページより)


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2009年8月12日掲載


■ 「庭で楽しむ野鳥の本」が4刷りになりました!
 前回は絶版というちょっと悲しいお知らせをしましたが、今回はその反対のとってもうれしいお知らせです。
 おととし2007年秋に山と溪谷社から出しました「庭で楽しむ野鳥の本」が、今春三度目の増刷つまり「4刷り」となりました。ちょっと時間が経ってしまいましたが、このブログで紹介していなかったことなのでお知らせしておきます。発行から一年半で4刷りまで行ったのは、私としては自己最高記録です。
 私のように本を作ることを仕事にしている者にとって、「増刷」「重版」というのは成績表のランクが上がるようなものです。あるいは勲章のようなものと言ってもいいかもしれません。とにかく光栄なことなのです。ベストセラーの本を出している方からは「4刷りくらいで騒ぐな」と言われそうですが、自然関係の写真を主体とした本としてはこれはもう立派なヒット作といえる状況なのです。この「庭で楽しむ野鳥の本」が好評なために続編の「散歩で楽しむ野鳥の本」も出すことができました。
 これまで私は12冊の著書を出し、制作に大きく関わった本はほかに10冊程度ありますので、20冊以上の本(雑誌を除く)を世に出してきました。しかし悲しいかな自然科学の書籍はなかなか大量には売れない分野といわれ、特に写真集的なものは出版できるだけで精一杯という市場であります。私の著書も、これまで増刷に至ったのは「鳥の名前」(東京書籍)、「日本野鳥写真大全」(クレオ)そして「庭で楽しむ野鳥の本」だけ(CD-Rは小刻みに増刷する性質のものなのでシンフォレストの「野鳥365日」はここでは除外)です。そんな中で4刷りに至ったというのは、印税が増えるとかそういう実利だけでなく名誉としてうれしいことなのです。
 これからも、売れない本ばかり作っている、と言われないよう、知恵をしぼって優れた企画の本を出していきたいと思います。ちなみに、今年5月に北海道新聞社から出した「北海道野鳥ハンディガイド」もお蔭様で版元の計画どおりに売れているそうで、来年春には重版が計画されています。今後ともよろしくお願いします。

庭で楽しむ野鳥の本

これがただいま4刷り!の「庭で楽しむ野鳥の本」(山と溪谷社)



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2009年8月7日掲載

■ 自然ガイド「支笏・樽前」絶版に!
 ちょっと残念なお知らせです。
 私が2002年に出版した書籍「自然ガイド支笏・樽前」が、このほど完売、絶版となることが決定しました。出版元の北海道新聞社から連絡がありました。発行以来9年間増刷にならなかったわけですから人気のある本とは言えませんが、支笏湖地域では根強く売れ続けていたので、完売したら増刷になればいいな〜と漠然と期待していただけに淋しい思いです。自然を紹介する本だけあって、今でも内容はほとんど古くなっていないので、ガイドとしてはまだまだ十分使える本なのです。
 この本は、私としては初めて野鳥以外のテーマに取り組んだ書籍でした。それまでに出した4冊の本はいずれも野鳥の写真集で、この「支笏・樽前」で初めて自然全般に目を向けることになったのでした。話をいただいてから2年近い取材期間を経て、足繁く支笏湖に通い、ほとんどの写真を撮りおろして作り上げた本です。つまり、鳥だけでなく自然全部を知ることの意義や価値を初めて形にしたものとも言えるわけです。その意味では自然雑誌ファウラにつながる考え方がここにあり、形は違ってもファウラの原点がこの本にあるのです。
 最後の10冊を私どもナチュラリーで引き取らせてもらいましたので、ネット通販のファウラショップ+では販売を続けます。私にとっては上記のような記念すべき一冊。まだ買ってはいなかったがそういうことなら記念に手元においておきたいという方は、是非ご購入ください。この最後の10冊がなくなったら、本当にもう入手できなくなります。

支笏・樽前

「自然ガイド支笏・樽前」表紙



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野鳥写真家&自然雑誌faura編集長の大橋弘一が自然や環境について語ります。FMアップルの番組「不思議いっぱいネイチャーワールド」の内容を伝えるブログでしたが、放送休止中の今もこのブログは継続します。