2008年8月19日の放送

■本日の話題その1  放射性物質が野放し?
 少し前の新聞に載っていた記事「放射性物質添加禁じる品目を定めよ」にはびっくりしました(8/5朝日新聞「私の視点」)。化粧品や装身具など身近な日用品に放射性物質が意図的に添加されているものが増えているとの指摘です。遠赤外線効果やマイナスイオン効果などをうたった商品にはそのような効果が科学的には根拠がないか、被曝のリスク以上の有効性が証明されないものばかりだといいます。さらにそうした商品に放射性物質の含有を表示してあるものもほとんどなく、せいぜい「原料は鉱石」との表示がある程度。これでは消費者は放射線の危険のある商品だということを知るすべもない。
 ヨーロッパではEUの安全基準で放射性物質を添加してはならない品目を明文化しており、食品・化粧品、玩具、装身、具飲料水などにはその添加が禁じられているそうです。対して日本は添加禁止品目が法律で定められていない。新聞記事の指摘からは、EUのような規制は当然のことであり、日本ではそうした規制さえ行われず国民を危険にさらす現状に愕然とさせられます。


■本日の話題その2 サケは面白い
 次号、秋号のファウラ(9/15発売)は「サケ」特集を予定しています。今、その制作の真っ最中ですので、ファウラに掲載予定の内容から先取り情報としてサケの雑学知識をひとつご紹介しましょう。
 サケの身の色のお話です。サケ類はサーモンピンクと呼ばれる独特なオレンジ色の身の色をしていますが、元来は白身の魚だそうです。それが外洋を回遊し成長する際にエビなどの甲殻類を食べ、その色が筋肉に沈殿してあの色になるのだそうです。あの色はアスタキサンチンというカロテノイド色素で、この色素は活性酸素を元の酸素に戻す働きがあります。そこで、川を遡るサケのパワーの源としてアスタキサンチンが働き、無事に産卵へと導くそうです。さらに、雌親は産卵前にこの色素を卵巣に移動させます。イクラの赤い色もアスタキサンチンだというわけです。赤い色は紫外線から卵を守る働きをします。サケ類の特長的な身の色にはいくつもの秘密が隠されているようです。
 ちなみに、アスタキサンチンは「サケの川上りパワー」としてこれを含むサプリメントがたくさん販売されています。

faura21号表紙

ファウラ秋号(表紙デザインは変更になる可能性があります)   表紙


■本日の話題その3 海で楽しむ野鳥観察・トウネン
 今週は、トウネンをご紹介します。トウネンとは「当年」の意味で、その年生まれのように小さいという意味で名づけられたシギです。北海道の海岸では最も数多く見られるシギ類です。実際、スズメほどの大きさしかない大変小さなシギですが、シベリアや北極海沿岸の繁殖地から赤道直下やオーストラリアの越冬地まで、先週ご紹介したキョウジョシギ以上に長い距離を渡ります。個体によっては1万kmを超える旅となることでしょう。
 しかも、親子別々に渡ることが知られており、今年生まれの鳥がどうやって目的地を知るのか、また無事に越冬地にたどりつける割合はどれくらいなのか、鳥の渡りの神秘を感じずにはいられません。

トウネン

トウネン(大橋弘一・諸角寿一編著「日本野鳥写真大全」より)


■インフォメーション
・ 大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2008夏号(特集:洞爺湖・有珠山)は、ただいま道内の書店などで発売中です。
・ ファウラ編集発売元である大橋弘一写真事務所「ナチュラリー」へのお問い合わせは、
0120-4646-13までどうぞ。

■今日ON AIRした音楽
シーナ・イーストン
・ モーニング・トレイン(9to5)
・ モダン・ガール
・ テレフォン
・ We’ve got tonight(シーナ・イーストン&ケニー・ロジャース)
・ For your eyes only


■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。

2008年8月12日の放送

■本日の話題その1  クワガタムと外来生物問題
 11日の北海道新聞夕刊に載っていた「クワガタムシブームがもたらした外来生物問題」(五箇公一)という記事に注目しました。輸入クワガタを題材に、最近よく話題になる外来生物の問題をわかりやすく解説していたからです。その記事によりますと、外来種のもたらす悪影響は大きく三つあります。
 一つ目は在来種と食べ物や棲みかをめぐって競合することによる在来種の駆逐です。クワガタムシで言えば幼虫は朽木を、成虫は樹液を食べることは在来種も外来種も同様です。
 二つ目は在来種との交雑が起る危険性。これによって日本固有のクワガタムシの遺伝子組成が撹乱される恐れがあります。
 三つ目は産地の環境破壊。輸入クワガタムシの多くは熱帯雨林地域から輸入されており、現地では乱獲状態になっている可能性が高いとのこと。さらにクワガタムシ採取が儲かるとみて本業の農林業そっちのけでクワガタ探しをする人が続出、場所によっては森林破壊を引き起こしてもいるそうです。
 そもそも99年までは植物防疫法により輸入規制されていたクワガタムシが、貿易自由化によって現在700種・100万匹もが輸入されているのが実態だそうです。虫をペットとして楽しむ文化をもつのは日本人だけとも言われますが、本来は自然観を育むことに意義があり、遠い外国から連れて来たものに値段をつけて売買することはそうした日本固有の文化からは逸脱するものだと五箇氏は述べています。全く同感です。

■本日の話題その2  霊長類の多くが絶滅の危機
 国際自然保護連合(IUCN)等の研究チームの発表によれば、世界の霊長類634種のうち、303種が絶滅の危機に瀕している、と新聞各紙が最近報じています。特に深刻なのは東南アジアで、カンボジアで90%、ベトナムで86%、インドネシアでは84%の種が絶滅の恐れがあるとのこと。研究者も予想よりはるかに深刻な事態だとしていますが、東南アジアの自然は日本とも強いつながりがあります。私の専門である鳥類で言えば、北海道で繁殖して東南アジアで越冬する種はとても多いですから、霊長類がこれだけ危機に瀕しているということはそれだけ東南アジアの環境破壊が進んでいることを示します。大変憂慮すべき事態ですし、霊長類以外の生物についても最新の詳細な生息状況を知りたいものです。

■本日の話題その3 海で楽しむ野鳥観察・キョウジョシギ
 今週は、キョウジヨシギをご紹介します。変わった名前のシギですが、語源は「京女シギ」だそうです。独特の顔の黒い模様が歌舞伎の隈取りを連想させるところからこの名がついたということです。繁殖地は北極海沿岸で、越冬地は台湾周辺であり、私の経験でいうと冬に宮古島や石垣島へ行くとキョウジョシギの越冬中の姿が見られます。普段は北海道で今の時期(8月頃)に渡り途中の姿を見ている者にとっては、宮古島はやっぱり南なんだなー、ということを実感させられます。
 キョウジョシギは岩の多い海岸によく現れ、フナムシの仲間などを食べていますが、ハエなども大好物です。英名をTURNSTONEといい、石をひっくり返して食べ物を探す場面もよく見られます。

キョウジョシギ

キョウジョシギ(大橋弘一・諸角寿一編著「日本野鳥写真大全」より)


■インフォメーション
・ 大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2008夏号(特集:洞爺湖・有珠山)は、ただいま道内の書店などで発売中です。
・ ファウラ編集発売元である大橋弘一写真事務所「ナチュラリー」へのお問い合わせは、
0120-4646-13までどうぞ。

■今日ON AIRした音楽
サマンサ・フォックス
・ タッチ・ミー
・ ストップ・ミー・ナウ
・ 二人だけのデート
・ サティスファクション
・ アイ・プロミス・ユー


■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。

2008年8月5日の放送

■本日の話題その1  オオハンゴンソウ
 先日の新聞に「支笏湖畔でオオハンゴンソウ駆除」という記事が載っていました。特定外来生物に指定されているオオハンゴンソウが在来植物に悪影響を及ぼすので、支笏湖周辺で大規模に駆除が行なわれたということでした。
 オオハンゴンソウは今頃の時期からお盆の頃にたくさん咲き、良く目立つ黄色い花で知られています。
北海道では線路際のような場所に群生している場面をよく見かけます。北米原産の外来植物で、鑑賞目的で明治時代に移入されました。2〜3mにもなる大型の多年草で、近年、全国的に増えているようで本州では日光国立公園などでも駆除が進められています。
 オオハンゴンソウといえば、テレビドラマ「北の国から」の中で正吉が蛍にバラの代わりに贈り続けた花でした。その場面を見た時には、結婚したい相手に贈る花として、外来種の悪名高いオオハンゴンソウを選ぶとは…ととても複雑な気持ちになったものでした。しかも、「反魂草」と書き、死者の魂を呼び戻すと言われる花でもある(これは正確には在来種のハンゴンソウのことですが)ことを考えても求愛にふさわしい花とは思えませんでした。
 ともあれ、富良野でなくとも北海道各地のいろいろな場所でこれからの時期によく見かけるであろう
 オオハンゴンソウは外来種、それも特定外来生物に指定されているようなものであることを、広く知ってもらいたいものだと思います。

オオハンゴンソウ

オオハンゴンソウ

■本日の話題その2  レブンウスユキソウ
 今度はれっきとした北海道在来の花、それも大変人気の高い「レブンウスユキソウ」についてです。
「ヨーロッパアルプスの象徴」と言われるエーデルワイスの仲間が北海道にもあるのです。種名としてはエゾウスユキソウですが、礼文島に咲くものを特にレブンウスユキソウと呼ぶそうです。
 ファウラの人気連載のひとつ、杣田美野里さんの「野の花が好き〜礼文島から」では今発売中の夏号で「控えめなヒロイン」としてレブンウスユキソウを紹介しています。杣田さんによりますと、白っぽくて色らしい色をもたないレブンウスユキソウですが、紫色のミヤマオダマキ、赤いレブンシオガマなどの色とりどりの花の中で咲くと、かえって目立つ存在になるとか。その名のとおり、薄く雪をかぶったような小さな花はまさに控えめなヒロインです。
 レブンウスユキソウの特徴のひとつに花期が長いことが挙げられ、早い場所では6月中旬から咲きますが遅い場所では8月中旬まで見られるそうです。2ヶ月も私たちの目を楽しませてくれる礼文島のスター。夏休みを利用してこれからでもレブンウスユキソウを見に礼文島を訪れるのもいいですね。

野の花が好き

ファウラ2008夏号「野の花が好き〜礼文島から」

■本日の話題その3 海で楽しむ野鳥観察・イソシギ
 今週は、イソシギをご紹介します。その名から「磯にいるシギ」という想像ができますが、イソシギという鳥は磯で見かけることはあまりありません。北海道では大きな川の岸辺や内陸の大きなダム湖のほとりのような場所で見る機会が多いと思います。
 イソシギはシギの仲間としては珍しく、日本でほぼ全国的に繁殖をします。多くのシギ類が日本より北で繁殖し、日本より南で越冬するため、旅鳥として日本に立ち寄るのに対し、イソシギは夏の繁殖期にも見られるということになるわけです。そのため、予想もしないような場所に出現するように感じるのかもしれません。
 イソシギも渡りを始めれば、エネルギー補給のために磯の立ち寄り、水生動物などを捕食する場面が見られるようになります。

イソシギ

イソシギ(大橋弘一・諸角寿一編著「日本野鳥写真大全」より)


■インフォメーション
・ 大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2008夏号(特集:洞爺湖・有珠山)は、ただいま道内の書店などで発売中です。
・ ファウラ編集発売元である大橋弘一写真事務所「ナチュラリー」へのお問い合わせは、
0120-4646-13までどうぞ。

■今日ON AIRした音楽
杏里
・ SUMMER CANDLES
・ 砂浜
・ 悲しみがとまらない
・ 夏の月
・ CATS’ EYE


■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。

2008年7月29日の放送

■本日の話題その1  電磁波の脅威
 自然雑誌「ファウラ」では、環境ジャーナリスト加藤やすこさんに執筆いただいている「21世紀の環境汚染」という連載企画があります。これまで4回に亘って電磁波が及ぼす健康被害について書いていただきましたが、電磁波の害を知る度に大変恐ろしいものだと思い知らされています。
 特に、携帯電話の急速な普及に伴う健康被害の発生が社会問題になりつつあります。具体的には携帯電話基地局周辺で不眠・頭痛・うつ傾向などが多発し、基地局の撤去を求める裁判も各国で起きているそうです。電磁波を浴びる(被曝)とDNAが損傷することがわかっているそうで、特に分裂中の細胞はDNA損傷が起きやすく、従って電磁波の害は細胞分裂が盛んな子供には特に深刻な影響を及ぼすとのこと。発達中の神経細胞が傷つけられれば脳が損傷し、成長に関わるホルモンが影響を受け、心臓病、睡眠障害、乳幼児突然死症候群などが発生しやすくなるといいます。小児白血病の多発も懸念されます。
 先日(7/24)パタゴニア札幌店で行なわれた加藤さんの講演会「21世紀の環境汚染」で改めて電磁波の怖さを実感しました。しかし、電気製品に囲まれて暮らしている現代人が完全に電磁波を避けて生活することもまた困難なことです。せめて、携帯電話など影響の大きなものに関しては何らかの規制が設けられてもいいのではないかと考えます。

21世紀の環境汚染

21世紀の環境汚染 電磁波の脅威?

■本日の話題その2  まだ草原の野鳥が見られる
 某カメラメーカーさんからの依頼で、コンパクトデジカメの新製品をテストする機会がありました。
コンパクトカメラなのに20倍のズームレンズが付き、さらに焦点距離を1.7倍に伸ばすテレコンバージョンレンズも用意されているので野鳥の撮影もできるというコンセプトのカメラです。私の専門である野鳥の撮影に使ってほしいと依頼されましたので、時期がちょっと遅いとは思いましたが石狩浜近くの草原へ行ってみました。
 ヒバリ、モズ、コヨシキリ、ノビタキ、オオジュリンなどが観察・撮影できましたが、鳥たちは既に繁殖を終えるか、あるいは繁殖の最終段階に入っているこの時期、一番撮影しやすい「さえずり」の場面が見られたのはノゴマなど一部の鳥に限られました。そんな中、草原性の野鳥で最も遅くまでさえずるホオアカがまだ盛んにさえずっていて、撮影のチャンスにも恵まれました。新製品デジカメはじつに小さなカメラながら高倍率ズーム・デジタルの特性を生かして活躍してくれました。
 夏休みに、バードウォッチングでもしてみようか、とお考えの子供さんとご両親、今なら草原の野鳥にかろうじて間に合いますよ。北海道の草原で、ホオアカを探してみてください。

ホオアカ

写真:ホオアカ

■本日の話題その3 夏休みのバードウォッチング
 夏休みの8月に、札幌周辺でおススメの野鳥観察場所は、ズバリ海辺です。海へ行ったって、カモメしかいないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、実際にはそのほかにもこの季節には海辺でいろいろな鳥たちが見られます。ウの仲間、シギの仲間、チドリの仲間、アジサシの仲間、そしてタカの仲間…などなど。
 カモメしかいないと思っている方は、海辺での遊びに夢中になっていて鳥の存在が目に入らないのかもしれません。見ようと思わなければ、いるものも見えないというのはよくあること。時には、心静かに海辺にじっと座って、鳥を探してみませんか。
 具体的にどんな鳥が見られるのか、来週以降の放送でご紹介します。

 
■インフォメーション
・ 大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2008夏号(特集:洞爺湖・有珠山)は、ただいま道内の書店などで発売中です。
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■今日ON AIRした音楽
スリー・ディグリーズ
・ When will I see you again 天使のささやき
・ T.S.O.P. ソウルトレインのテーマ
・ Dirty ol’ man 荒野のならず者
・ Take good care of yourself 口づけでおやすみ
・ 愛はメッセージ


■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。

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野鳥写真家&自然雑誌faura編集長の大橋弘一が自然や環境について語ります。FMアップルの番組「不思議いっぱいネイチャーワールド」の内容を伝えるブログでしたが、放送休止中の今もこのブログは継続します。