2009年1月6日の放送
- 2009-01-13
- 09:35
■本日の話題その1 ファウラの最近の話題
皆様、昨年はいつも放送をお聞きいただき(このブログをお読みいただき)、ありがとうございました。今年2009年も相変わりませず何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、今年最初の話題は、今発売中のファウラ冬号に関する裏話からです。
冬号発売日直後、私たち編集部の者にとって大変ショッキングな出来事がありました。長年定期購読いだたいているある読者の方からお叱りの手紙が送られてきたのです。内容は、今号の巻末綴じ込み付録の「北海道ヘビ図鑑」に掲載されたヘビの写真についてのご不満でした。その方はこれまでファウラに掲載される美しい風景や可愛い動物の写真を楽しみにしてきたが、生理的にヘビが嫌いとのことで、こうしてヘビが載るとなればいつかは表紙にも載るかもしれないと思い、もうファウラを受け入れられなくなった、とのご指摘でした。それを理由に、定期購読を止めるとのご連絡でした。
じつは、ヘビやクモ、害虫やコウモリなど、どちらかというと”嫌われ者”の生物をファウラにどう登場させるか、制作側としてはいつも頭を悩ませる問題なのです。特にヘビについては嫌う方が多い動物だということはもちろんよくわかっており、しかし、自然の全てを紹介したいというコンセプトの小誌がこれを避けるわけにはいかず、誌上にどういう扱いで掲載するか、本当に悩ましい問題です。これまでの小誌の売れ行きからみても所謂”カワイイ系動物”を特集すればよく売れることは明らかです。ファウラも商業誌ですから、そういった動向は常に計算しなければなりません。しかし、それでもなお、ファウラは”嫌われ者”もきちんと紹介する責務を負っているものとも考えています。嫌う人の多いヘビは、さすがに私どもも特集にする勇気はないというのが正直なところです。表紙に使うつもりもありません。ファウラは、特集だけでなくいろいろなページがありますから、それぞれの内容にふさわしいページや企画を考えて掲載しています。今回のカレンダー形式で北海道のヘビを紹介するというアイデアも自信を持っていましたが、しかし、どうやら私どもの考えは甘かったようです。大切な読者を一人失ってしまいました。
言うまでもなく、自然界には不快なものや危険なものもたくさんいます。それらも含めてかけがえのない自然環境を構成する大切な要素です。そういったものから目を背け、カワイイ動物やきれいなものだけを追い求める姿勢、つまり不快なものを排除する考え方は、あまりにも幼稚だと思います。不快なものが生態系の中で果たす役割にも目を向け、自然の成り立ちを正しく理解することこそが、自然の中で我が身にふりかかる危険を回避する大切な要素となることでしょう。
今回の出来事は大変残念でなりませんが、それは大切な読者が一人減ってしまったということだけでなく、ファウラの発刊を6年間22冊続けた程度では、私たちの考える「自然全体に目を向けよう、自然を正しく知ろう」という考え方がまだまだ浸透していないことを思い知らされたからです。いつまでもカワイイ動物ばかりを追い求めていては、自然を知ることとは異なる道を歩むだけだということを是非多くの方々に考えてもらいたいと同時に、私どもももっともっと力をつけて参りたいと大いに反省させらた次第です。

ファウラ冬号の綴じ込み付録「北海道ヘビ図鑑」第一回(ヘビ写真の第一人者・徳田龍弘氏の写真と解説文によって、一年間4回の連載で北海道に生息するヘビ類の全種を紹介する)
■本日の話題その2 年末年始に地球温暖化対策として報道されたこと
この年始、北海道電力は2020年までに、道内最大級の太陽光発電施設の建設の第一弾として1000kwの発電施設を2012年までに稼動させると発表したことが報じられました。一方、東京都は2009年度つまり今年の4月から「環境減税」を実施すると発表したそうです。具体的には、省エネ設備を導入した中小企業に法人事業税を減免するもの。さらに、ハイブリッド車やプラグイン式の電気自動車といった環境対策車を対象に5年間自動車税を免除するという施策も発表されました(後者は今朝のテレビニュースで小耳にはさんだだけで、詳細は現時点ではわかりません)。ホンダのハイブリッド車の車両価格が200万円を切るという発表ともども、正月早々大きなお年玉だと思います。環境対策として皆が待ち望んでいたのはこういう施策でしょう。東京都だけでなく全国に広がってほしい動きです。
しかし、世の中は100年に1度といわれる大変な不況の真っ只中です。環境対策どころではないなどという声も一部に聞かれますが、1月4日の朝日新聞社説に書かているようにグリーン経済が今求められているのだと思いのます。自然エネルギーの普及を広げることでそれを経済成長の材料にすべき、という考え方です。不況であっても環境問題への対策を止めるわけにはいかないのであって、環境対策と経済発展の両立(と言うより環境対策そのものが経済を発展させる)こそが、今求められています。
■本日の話題その3 「散歩で楽しむ野鳥の本」のホオジロガモの項
私の新著、昨年11月5日に発売になった「散歩で楽しむ野鳥の本」(山と溪谷社刊) から、今週はホオジロガモをご紹介させていただきました。
ホオジロガモは、北海道では海だけでなく内陸の湖沼でもよく見られます。これからの厳寒期、とても観察しやすい鳥のひとつです。目印は雄の独特な色彩。目の下あたりの白斑がその名の語源で、特徴がありますので誰でもすぐにそれと気づくでしょう。頻繁に水中に潜って小魚などを捕食しています。
ところで、年末、12月20日に開店したジュンク堂書店札幌店の理工書フロアには、特設「大橋弘一&fauraコーナー」が設置されています。ファウラのバックナンバー全点はもちろん、野鳥写真家としての大橋の著書や著書に準ずる本(写真が数多く掲載されているなど私の関わりの深い本)の多くが勢ぞろいしており、見ごたえがあります。特に1999年のデビュー写真集「鳥鳴山河」は版元(クレオ)で絶版となっているのに、どういうわけかここには平積みされています。今後手に入れる機会はおそらくなくなりますので、お求めになりたい方は是非今のうちにジュンク堂書店札幌店でどうぞ。
話が脱線してしまいましたが、「鳥鳴山河」にはホオジロガモの写真も掲載されているので思い出した次第。もちろんホオジロガモについての面白エピソードも掲載されている最新刊「散歩で楽しむ野鳥の本」もジュンク堂では何ヶ所かで平積みや面出しになっていて目立ちます、是非見てみてください。

大橋弘一の新著「散歩で楽しむ野鳥の本」(山と溪谷社刊・税込み1,890円)のホオジロガモのページ
■ インフォメーション
・大橋弘一の新しい著書「散歩で楽しむ野鳥の本」の詳細については書籍販売サイト「ファウラショップ+」をご覧下さい。
http://www.naturally.co.jp/faurashop/
・大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2009冬号(特集:北国の冬を生きる〜珠玉のネイチャーフォト30選)、道内の書店などで発売中です。 編集発売元であるナチュラリーからの直接のお求めは書籍販売サイト「ファウラショップ+」へどうぞ。
http://www.naturally.co.jp/faurashop/
■今日ON AIRした音楽
ザ・ブーム
・島唄
・星のラブレター
・風になりたい
・中央線
■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。
皆様、昨年はいつも放送をお聞きいただき(このブログをお読みいただき)、ありがとうございました。今年2009年も相変わりませず何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、今年最初の話題は、今発売中のファウラ冬号に関する裏話からです。
冬号発売日直後、私たち編集部の者にとって大変ショッキングな出来事がありました。長年定期購読いだたいているある読者の方からお叱りの手紙が送られてきたのです。内容は、今号の巻末綴じ込み付録の「北海道ヘビ図鑑」に掲載されたヘビの写真についてのご不満でした。その方はこれまでファウラに掲載される美しい風景や可愛い動物の写真を楽しみにしてきたが、生理的にヘビが嫌いとのことで、こうしてヘビが載るとなればいつかは表紙にも載るかもしれないと思い、もうファウラを受け入れられなくなった、とのご指摘でした。それを理由に、定期購読を止めるとのご連絡でした。
じつは、ヘビやクモ、害虫やコウモリなど、どちらかというと”嫌われ者”の生物をファウラにどう登場させるか、制作側としてはいつも頭を悩ませる問題なのです。特にヘビについては嫌う方が多い動物だということはもちろんよくわかっており、しかし、自然の全てを紹介したいというコンセプトの小誌がこれを避けるわけにはいかず、誌上にどういう扱いで掲載するか、本当に悩ましい問題です。これまでの小誌の売れ行きからみても所謂”カワイイ系動物”を特集すればよく売れることは明らかです。ファウラも商業誌ですから、そういった動向は常に計算しなければなりません。しかし、それでもなお、ファウラは”嫌われ者”もきちんと紹介する責務を負っているものとも考えています。嫌う人の多いヘビは、さすがに私どもも特集にする勇気はないというのが正直なところです。表紙に使うつもりもありません。ファウラは、特集だけでなくいろいろなページがありますから、それぞれの内容にふさわしいページや企画を考えて掲載しています。今回のカレンダー形式で北海道のヘビを紹介するというアイデアも自信を持っていましたが、しかし、どうやら私どもの考えは甘かったようです。大切な読者を一人失ってしまいました。
言うまでもなく、自然界には不快なものや危険なものもたくさんいます。それらも含めてかけがえのない自然環境を構成する大切な要素です。そういったものから目を背け、カワイイ動物やきれいなものだけを追い求める姿勢、つまり不快なものを排除する考え方は、あまりにも幼稚だと思います。不快なものが生態系の中で果たす役割にも目を向け、自然の成り立ちを正しく理解することこそが、自然の中で我が身にふりかかる危険を回避する大切な要素となることでしょう。
今回の出来事は大変残念でなりませんが、それは大切な読者が一人減ってしまったということだけでなく、ファウラの発刊を6年間22冊続けた程度では、私たちの考える「自然全体に目を向けよう、自然を正しく知ろう」という考え方がまだまだ浸透していないことを思い知らされたからです。いつまでもカワイイ動物ばかりを追い求めていては、自然を知ることとは異なる道を歩むだけだということを是非多くの方々に考えてもらいたいと同時に、私どもももっともっと力をつけて参りたいと大いに反省させらた次第です。

ファウラ冬号の綴じ込み付録「北海道ヘビ図鑑」第一回(ヘビ写真の第一人者・徳田龍弘氏の写真と解説文によって、一年間4回の連載で北海道に生息するヘビ類の全種を紹介する)
■本日の話題その2 年末年始に地球温暖化対策として報道されたこと
この年始、北海道電力は2020年までに、道内最大級の太陽光発電施設の建設の第一弾として1000kwの発電施設を2012年までに稼動させると発表したことが報じられました。一方、東京都は2009年度つまり今年の4月から「環境減税」を実施すると発表したそうです。具体的には、省エネ設備を導入した中小企業に法人事業税を減免するもの。さらに、ハイブリッド車やプラグイン式の電気自動車といった環境対策車を対象に5年間自動車税を免除するという施策も発表されました(後者は今朝のテレビニュースで小耳にはさんだだけで、詳細は現時点ではわかりません)。ホンダのハイブリッド車の車両価格が200万円を切るという発表ともども、正月早々大きなお年玉だと思います。環境対策として皆が待ち望んでいたのはこういう施策でしょう。東京都だけでなく全国に広がってほしい動きです。
しかし、世の中は100年に1度といわれる大変な不況の真っ只中です。環境対策どころではないなどという声も一部に聞かれますが、1月4日の朝日新聞社説に書かているようにグリーン経済が今求められているのだと思いのます。自然エネルギーの普及を広げることでそれを経済成長の材料にすべき、という考え方です。不況であっても環境問題への対策を止めるわけにはいかないのであって、環境対策と経済発展の両立(と言うより環境対策そのものが経済を発展させる)こそが、今求められています。
■本日の話題その3 「散歩で楽しむ野鳥の本」のホオジロガモの項
私の新著、昨年11月5日に発売になった「散歩で楽しむ野鳥の本」(山と溪谷社刊) から、今週はホオジロガモをご紹介させていただきました。
ホオジロガモは、北海道では海だけでなく内陸の湖沼でもよく見られます。これからの厳寒期、とても観察しやすい鳥のひとつです。目印は雄の独特な色彩。目の下あたりの白斑がその名の語源で、特徴がありますので誰でもすぐにそれと気づくでしょう。頻繁に水中に潜って小魚などを捕食しています。
ところで、年末、12月20日に開店したジュンク堂書店札幌店の理工書フロアには、特設「大橋弘一&fauraコーナー」が設置されています。ファウラのバックナンバー全点はもちろん、野鳥写真家としての大橋の著書や著書に準ずる本(写真が数多く掲載されているなど私の関わりの深い本)の多くが勢ぞろいしており、見ごたえがあります。特に1999年のデビュー写真集「鳥鳴山河」は版元(クレオ)で絶版となっているのに、どういうわけかここには平積みされています。今後手に入れる機会はおそらくなくなりますので、お求めになりたい方は是非今のうちにジュンク堂書店札幌店でどうぞ。
話が脱線してしまいましたが、「鳥鳴山河」にはホオジロガモの写真も掲載されているので思い出した次第。もちろんホオジロガモについての面白エピソードも掲載されている最新刊「散歩で楽しむ野鳥の本」もジュンク堂では何ヶ所かで平積みや面出しになっていて目立ちます、是非見てみてください。

大橋弘一の新著「散歩で楽しむ野鳥の本」(山と溪谷社刊・税込み1,890円)のホオジロガモのページ
■ インフォメーション
・大橋弘一の新しい著書「散歩で楽しむ野鳥の本」の詳細については書籍販売サイト「ファウラショップ+」をご覧下さい。
http://www.naturally.co.jp/faurashop/
・大橋弘一が編集長を務める北海道自然雑誌「ファウラ」2009冬号(特集:北国の冬を生きる〜珠玉のネイチャーフォト30選)、道内の書店などで発売中です。 編集発売元であるナチュラリーからの直接のお求めは書籍販売サイト「ファウラショップ+」へどうぞ。
http://www.naturally.co.jp/faurashop/
■今日ON AIRした音楽
ザ・ブーム
・島唄
・星のラブレター
・風になりたい
・中央線
■「不思議いっぱいネイチャーワールド」は札幌のコミュニティーFM局「FMアップル」(76.5MHz)で、毎週火曜日午前11時00分からお送りしている1時間番組です。パーソナリティー・福津京子さんを相手に、野鳥写真家であり自然雑誌ファウラ編集長でもある大橋弘一が野鳥や自然の話から地球環境まで、エコについて幅広いテーマでお話ししています。




